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毎月引かれる社会保険料と将来もらえる年金

会社にお勤めの方は、ご自分の給与から毎月いくらの保険料や税金が天引きされているか、明細書で毎月確認されていることと思います。
天引きされている厚生年金保険料は、各個人ごとに受け取っている給与額で異なります。給与額が低い方と比べて高い方のほうが、より多くの厚生年金保険料を天引きされていますが、それに比例して、将来、老後に受け取る年金額も多くなります。
ただし、厚生年金保険料には上限があり、標準報酬月額62万円です。具体的には、1か月605,000円以上の給与であれば、80万円であろうと100万円であろうと、天引きされる厚生年金保険料は同じで、もちろん、将来の年金額も同じです。
たとえば、東京のA社に勤めているB課長(45歳)の1か月給与は61万円C部長(50歳)の給与は、80万円とします。おふたりの給与から天引きされる社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)を比較してみます。

B課長・・・ 健康保険料 35,712円  厚生年金保険料 51,975円   【合計】 87,687円
C部長・・・ 健康保険料 45,504円  厚生年金保険料 51,975円   【合計】 97,479円
*健康保険料には介護保険料を含む
ふたりの毎月給与から天引きされる社会保険料(健康保険・厚生年金保険料)は、C部長のほうが、9,792円多くなりますが、この期間に対しての将来二人がそれぞれ受け取る年金の額は、同じです(厚生年金保険料を計算するときは、二人とも標準報酬月額62万円で計算するので、支払う厚生年金保険料は二人とも同じだからです)
健康保険料の上限は、厚生年金保険料より高くなっているので、C部長の方が、9792円多く社会保険料を支払うことになります。(健康保険料の上限は、標準報酬月額121万円です)
ではC部長はB課長より多くの健康保険料を支払っていることについてどのようなメリットがあるのでしょうか?
支払っている健康保険料の額に関係なく、病院にかかった医療費の窓口負担は、3割です。
(また入院等して一定基準額以上、高額な医療費がかかった場合、本人に高額療養費が戻ってきますが、所得の高い方(給与が1か月545,000円以上)のほうが、同じ医療費がかかった低い方(1か月545,000円未満)と比べて、戻ってくる高額療養費の算定基準が不利になります)
健康保険料を多く支払っている方のメリットといえば、本人が病気やけが、出産で会社を休み、無給になったとき、健康保険から支給される、傷病手当金や出産手当金が多くなることです(扶養家族には出ません)
(傷病手当金や出産手当金は、給与額の約2/3が支給されるからです)
ただし、傷病手当金も出産手当金も期限が決められており、一生もらえるものではありません。
(傷病手当金は1年6か月、出産手当金は、産前産後約98日前後です)
C部長は、B課長と比較して、社会保険料も多く支払っているのだから、B課長よりその期間に対して、多くの年金額を積み立てているわけではないのですね(実はC部長は、健康保険料だけを多く支払っているからです)
★上記の給与額はすべて、税金や保険料を控除される前の金額です。