新着情報

退職後の年金手続きの大切さ

会社に入社する際には、健康保険と厚生年金の加入は会社で行ってくれます。しかし会社を退職した後は、医療保険と年金の切り替えは、自分で手続きを行います。
病気やけがは、生活の中で常に起きるものなので、医療保険加入の切り替え手続きは、会社を退職したらすぐに行われる方がほとんどです。しかし、年金については、退職後の手続きを忘れても現在の生活では何ら困ることはありません。年金については手続き漏れが起こりやすく、また関心も薄くなりがちです。
しかし、年金の加入を怠ると、そのつけは、後からやってきます。また、年金に加入できる年齢は決まっており、過去の保険料をさかのぼって支払うことができる期間は限られています。
年金給付を受けるために保険料を払いたいと思っても、状況によっては今や遅しということもあります。
年金は医療保険とセットで手続きが行われ、どちらも職業によって加入する制度が決まりますので、特に会社を退職した時は、医療保険と年金のセットで加入手続きをおこないましょう。
会社を退職したA夫さんと、A夫の扶養だった専業主婦の妻B美さんの場合は、夫が会社を退職した後、自分たちで、医療保険と年金の切り替えを行います。
健康保険については、
■退職後、引き続き夫の会社の健康保険に加入する「任意継続被保険者」になる
■お住まいの市区町村で、国民健康保険に加入する
のどちらかを選択します。
夫が「任意継続被保険者」になる場合は、B美さんは引き続き健康保険の扶養になることができます。しかし、在職中と違って健康保険料は全額負担(上限あり)です。また、加入手続きの締め切りは退職後20日以内で、加入できる期間は最大2年間です。途中で任意継続被保険者の資格喪失するのは再就職の場合をのぞき、難しくなっています。「任意継続被保険者になるときは、退職した会社の保険者(健康保険証の発行元)で手続きを行います。まずは内容をよく確認しましょう。
国民健康保険に加入するときは、お住まいの市区町村で手続きできます。倒産等などの退職理由によっては国民健康保険料の減免措置もありますので、窓口で確認してみましよう。国民健康保険には、扶養制度はありませんので、専業主婦のB美さんにも国民健康保険料がかかります。
さて、A夫さんが、会社を退職した後、年金についてはどのような手続きが必要なのでしょうか?A夫さんもB美さんもお住まいの市区町村の年金課で、国民年金加入(第1号被保険者)手続きをします。
(60歳の誕生月以降の方は、退職しても国民年金に加入する必要はありません)
国民年金保険料は1か月定額で15,040円(平成25年度価格)です。今まで支払いの必要なかったB美さんも同じ額を負担します。夫婦で1か月30,080円の国民年金保険料が発生します。しかし、退職による国民年金保険料の免除制度もありますので、年金課の窓口にて相談しましょう。退職による国民年金保険料の免除制度はA夫の離職票があれば、B美さんも一緒に免除制度が受けられます。(退職理由は問わずに利用できます)
さて、この退職後の国民年金加入手続きをしていなかったために、訂正が必要な記録がたくさん見つかり、大きな問題となっているのが「第3号被保険者の記録不整合問題」です。
この問題は、B美さんのように、夫の扶養で第3号被保険者だった方が、夫の退職後、国民年金への加入(第1号被保険者)手続きを忘れていた場合に起こります。
B美さんのような第3号被保険者の喪失は夫の会社では行ってくれません。
B美さんが自分で市区町村の窓口で、国民年金への加入手続きをおこなうことで、初めて第3号の喪失のデータが日本年金機構に届くのです。
なので、B美さんが、国民年金加入への手続きを忘れていたら、ずっと第3号被保険者のままで、データが管理され続けることになり、保険料納付済みではないのに「納付済み」と処理されてしまいます。
誤って管理されていた記録を、「未納」記録に訂正することは、年金をすでにもらっている方にとって、年金の減額につながります。今後どのように対応するかが大きな問題となっていましたが、今年7月1日付けで「第3号被保険者の記録不整合問題」の対応内容がようやく決まり、厚生労働省より公布されました。
次回のブログで、問題になっている「第3号被保険者の記録不整合問題」について詳しく書いていきます
★退職による国民年金保険料免除制度とは

退職してから2年度以内であれば使える制度です。保険料の支払いは0ですが、この制度を利用した期間については、将来の年金給付は1/2に減額されます。また免除制度を利用した期間は、年金をもらう資格期間に含まれます。退職特例を利用した期間については、10年以内であれば追納できます。