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年金を60歳からもらいたい

昭和28年4月2日以降生まれの男性(平成25年4月から60歳になる男性)は、年金をもらう年齢が61歳以降に引き上げられています。
今までは厚生年金または共済年金に1年以上加入している方は、60歳から厚生年金または共済年金の部分を受け取ることができました。
しかし昭和28年4月2日以降昭和30年4月1日生まれの男性は、今年の4月以降から61歳になりますので、61歳時点から年金の受給権が発生することになります。

さてこのように年金をもらう年齢が60歳以降に引き上げられていますが、どうしても60歳から年金を受け取りたい場合はそれも可能です。それは、老齢厚生年金の繰り上げ制度を利用することです。
(ただし厚生年金または共済年金に1年以上加入していることが必要です)
しかしこの制度を利用すると、早めに年金を受け取るために、将来もらう年金額が減額されることになります。
たとえば昭和29年6月1日生まれのA夫さん、本来年金がもらえる年齢は61歳からです。しかしどうしても60歳から年金がもらいたいので老齢厚生年金の繰り上げ制度を利用することにしました。
A夫さんの年金額は、老齢厚生年金(報酬比例部分)100万円、老齢基礎年金70万円とします。
A夫さんの場合は、老齢厚生年金、老齢基礎年金の両方を繰り上げることになりますので、ふたつの年金額は以下のように減額されます。
■老齢厚生年金は、6%の減額(0.5%×12月)になりますので、100万円の老齢厚生年金に対して6万円の減額になります。
■老齢基礎年金は30%の減額(0.5%×12月)になりますので、70万円の老齢基礎年金に対して21万円の減額になります。
A夫さんは原則の61歳から年金をもらうパターンを選ぶと、
61歳から 100万円
65歳から 170万円(100万円+70万円)
の年金を受け取ることができます。
A夫さんが60歳から繰り上げをすると
60歳から 143万円(94万円+49万円)
の年金を終身受け取るということになります。
長生きすれば、原則通りの受け取り方(61歳から)の方がお得です。
今後は、60歳で退職し、年金をもらうまでの間に収入の空白期間ができますので、この繰り上げ制度を検討される方も増えてくるでしょう。
しかし繰り上げ制度を利用すると、減額された年金を一生受け取ること、そして老齢基礎年金を繰り上げると障害年金を請求できなくなるというデメリットもありますので、注意が必要です。